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エチレン(C2H4)は植物ホルモンの一種で、青果物の成熟に作用するガスです。果物のリンゴとカキを一緒に袋に入れておくと、カキは早く成熟します。実際の青果物の流通過程において、輸送コスト削減の観点から青果物の混載輸送が行われています。 したがって、上記のようなリンゴ由来のエチレンによって、カキの成熟が促進し、鮮度を早く低下させてしまいます。 |
本研究では、青果物の輸送時の品質保持技術として、非熱平衡プラズマを用いて化学的活性種(Oラジカルなど)を生成し、エチレンガスを分解・除去することを目的としています。 非熱平衡プラズマとは、正イオンや中性粒子の温度と比較して電子の温度が極めて高いプラズマのことであり、従来の熱化学的手法では不可能な化学反応を引き起こすことができるため、窒素酸化物(NOX)の処理、オゾンの生成等にも用いられています。 |
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この研究においては、誘電体バリア放電や、パックドベッド放電により、エチレンガスの処理を行っています。以上の方式を使うことにより、エチレンは主に水と二酸化炭素に分解することができます | |
実験では印加電圧や気体の条件等を変化させて行っています。また、エチレンガスの処理後に排出される有害な二次物質(COなど)の除去を、触媒などを用いて行い、実用化に向けて研究に取り組んでいます。 |
近年、野菜、果実などの栽培において、植物の生育に必要な養水分を液肥として与える養液栽培が発展しており、養液を栽培ベッド内で循環させる循環方式が主流となっています。 この方式の問題点として、植物体の根部が病害を発病した場合、二次感染の早さ、範囲が著しく大きく、短期間で壊滅的な被害を招く可能性があります。そのため、循環方式では養液中の殺菌処理が必要不可欠となっています。 現在、様々な殺菌技術がありますが、いずれもランニングコストが高いこと、定期的クリーニングが必要等の問題点を有しており、低コストでメンテナンスフリーな殺菌技術の開発が求められています。 |
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そこで新たな殺菌処理方式として、水中放電を用いる方法が提案されています。パルス高電圧を用いて水中放電を発生させることにより、高電界、衝撃波、UV光、O3、H2O2、OHラジカル等の複数の殺菌効果を有する種を生成し、養液中の有害菌の効果的殺菌処理が期待できます。 |
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また、高電圧下での現象の一つに、植物の生育に関する報告がなされています。植物の生育にとって、必須元素である窒素の取り込みが重要です。 水中放電処理による窒素固定反応では、植物が育つ上で有益である硝酸態窒素、亜硝酸態窒素が生成することが報告されています。そのため、この方式により生成される放電処理水は、植物の生育を促進すると考えられています |
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本研究では、水中気泡内放電により処理した水が植物の生育環境に与える影響について調べ、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素が植物の生育に及ぼす影響、および水中に含まれる菌数の変化について検討を行っています。実際に、私たちのコマツナを用いた栽培実験において、生育促進、養液の殺菌効果が実証されています。 植物工場のような大型の生産施設において,有害菌の発生による被害を回避する方法を構築することは非常に重要であるため,培養液伝染性病害への対応は養液栽培の経営安定に不可欠であり,養液栽培の将来にもかかわる問題となっています。 |
★研究背景 皆さんは「雷が落ちた場所の周辺にはキノコがよく生える」という話を耳にしたことがありますか?
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キノコの増収に関して、これまでも他大学などで研究が行われています。しかし、本研究は電気だけでなく、バイオ系も関わる研究でもあります。そのため、菌類を扱える人、ホダ場などの実験環境なども必要になります。 |
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★研究内容 本研究グループでは、これまで数種類の電気刺激用パルス電源の開発を行い、シイタケやナメコに電気刺激を与えた際の増収効果について検証してきました。 現在はエネルギーの異なる電源を用いて、自然環境下においては原木栽培シイタケ、原木栽培ナメコ、菌床栽培ハタケシメジに対して、温度・湿度が一定の環境下においては菌床栽培シイタケに対して高電圧パルスを印加し、増収のための最適な電気条件(電圧、印加時間、印加回数 etc…)の検討を行っています。 |
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また、キノコの形成にタンパク質(ラッカーゼ)が影響すると報告されています。現在、ラッカーゼはLcc1からLcc6まで分類されており、それぞれ分泌時期が異なります。 我々は、電気刺激が菌糸やラッカーゼ分泌時期に及ぼす影響についての解析を通し、増収のメカニズムを明らかにしようと取り組んでいます。 |
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今後は実用化に向けて、容易に持ち運び出来るパルス電源の開発、キノコ増収に最適な電気刺激の条件について解明を行います。 |
水質汚濁は、人の健康だけではなく、生態系全てにおいて悪影響をもたらす深刻な問題となっています。水質汚濁を引き起こす原因には産業排水、生活排水、投棄廃棄物などがあげられます。これらは近年の様々な法規制や水処理技術により改善されてきています。しかし、一部の地域では、水質基準を満たしていない過去の排水による底質汚染や、産業廃棄物の不法投棄などによる、地下水への汚染物質の染みだしが、問題となっており、早急な原状回復措置が必要とされています。 | |
汚染物質の処理には酸化剤を用いる薬品処理や、生物濾過などがありますが、環境への配慮やコスト面から、新しい技術が求められています。そこで新たな処理方法として、パルスパワーを用いて、水中で生成したプラズマを用いて汚染物質を分解する方法が注目されています。汚染物質の分解除去の要因としては、水中放電により、生成される様々な活性種などがあげられます。この方法は環境面にもやさしく、近年注目されています。 |
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水中プラズマは、水中に設置した電極間に急峻なパルス高電圧を印加することにより生成できます。そこで、高圧パルスの発生装置として、磁気パルス圧縮回路(MPC)を用いています。また、水中に気体を注入し、気泡を生成し、水中プラズマの生成を助長しています。水中プラズマを用いた汚水処理方式は、染料など様々な物質に対しての、処理特性が検討されています。実際の廃水には, 複数の汚染物質が含有されていることが多いため, 本研究室では複数の汚染物質が混合された溶液を用いて水質浄化の効果を評価しています。 | |
今までの実験から、汚水の処理は可能であることが分かっていますが、まだ分からないことも多くあり、まだまだ研究が必要です。 |